製品安全対策企業表彰を受賞して思うこと

経産省による製品安全対策企業表彰。昨年は最終審査で惜しくも選から漏れましたが今年はようやく「中小企業 小売販売事業社部門・優良企業」として認められました。

金賞(経済産業大臣賞)なしの銀賞(商務流通保安審議官賞)です。

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エスプレッソマシンは、「店舗や家庭で使う。高電力・高圧・高温。口に入るドリンクを作る機械。そして海外製品」と安全には最も神経を使う商品です。

その製品の安全に関する受賞は、もちろんうれしいのですが、うれしさよりも「ほっとした気持ち」が大きいです。今までお買い上げいただいた多くのお客様に対して責任を果たせていたという安堵です。

次に毎日懸命に仕事をしてくれているスタッフが客観的に認められたことがうれしいです。

そして、我々が20年間地道に行っている仕事が製品安全という観点から正しかったことに安心しました。

審査は下の4つの視点で行われ、1次書類審査、2次プレゼンテーションとヒアリング、そして複数の専門家+経産省職員+事務局による現地調査が数時間とかなり厳しいものです。

視点1 安全な製品を仕入れ・販売するための取組

視点2 製品を安全に使用してもらうための取組

視点3 出荷後に安全上の問題が判明した際の取組

視点4 製品安全文化構築への取組

製品を扱うビジネスは、すべてにその製品の安全が優先することは皆わかっているのですが、安全を確立するにはコストがかかります。

製品安全にコストをかけすぎると商品に転嫁されますから販売価格が高くなり売れなくなる。

売れないと製品安全に資金を投入できないという負のスパイラルが発生します。

弊社の場合を振り返ると20年前に家電販売からエスプレッソマシンの輸入販売に舵を切る決断をしたとき、一番不安だったのが製品の安全面です。

家電販売業界は基本的にナショナルや東芝、ソニー、シャープ、日立など大手家電メーカーの製品を売るので出荷時、販売時の製品安全もその後の修理も全てメーカーが最終責任を持つ為、販売店は極端な言い方をすれば多く販売することを第一に考えるようになります。

家電販売業界はその環境の中での競争ですから、「販売価格競争」、「品ぞろえ競争」、「商品説明力競争」、「付加価値サービスという名の人的奉仕競争」などに明け暮れます。

同じものを同じ地域内で販売するのですからこれらの競争は熾烈を極めます。

一方、エスプレッソマシンをヨーロッパから「直輸入」して「100%直販売」する弊社の今のスタイルは僕が知る限り日本には弊社以外は存在しません。

ですので輸入する海外メーカーとその商品の安全面、製品の機能と耐久面の見極め、出荷時の独自検査力、修理技術力、商品の使い方の啓蒙力などすべて自社で完結できないといけません。

「直輸入・直販売・弊社唯一」とはそういう高いハードルがあります。

これには相当な技術レベルとコストがかかりますし、販売量が増えれば増えるほど安全対策コストは上がります。

となると、利益を犠牲にした販売量増加ではなく1台毎の粗利を大切にしないと経営が成り立ちませんから、卸売りによる薄利多売ではなく、販売数量を犠牲にしても100%直販売をしていく決断をしたわけです。(100%直販を創業から徹底したおかげで売り先がすべて把握できているという思わぬ副産物がありました。今はまだないのですが万が一将来に事故の懸念やリコールが分かったときは直接販売先のお客様に迅速な対応が打てます。)

製品安全のための高コスト、直販売による高粗利ではあるが少量販売を経営破たんなしに行うとなると、軌道に乗るまでは徹底的なローコスト経営が求められます。

ただし高額なマシンを販売するわけですから、お客様に対するサービスの質は落とすことはできません。

弊社がエスプレッソマシン業界に舵を切った最初の数年間は時間給、歩合給スタッフだけでごく少人数やってまいりました。

製品技術担当は家電時代の修理スタッフ1名を出来高支払いでお願いしましたし、海外メーカーとの通訳は大手家電メーカーを定年退職された方を時間給で来ていただきました。

WEB掲載や通常の仕入れ業務や受注処理や出荷はパート主婦(とても優秀でした!)の方々。

それ以外の商品企画、お客様との商談、クレーム対応などはほとんど僕一人でした。オフィスはショールームに生まれ変わる前のボロボロの倉庫の一室です。

このように徹底的なローコスト経営を続けて少しづつ利益が蓄積できたら製品安全を強化して、販売量を増やしながら利益を上げてという事を繰り返していったわけです。

2011/ 6/ 1 19:54

6年前の倉庫兼事務所。これは、会社がかなり大きくなっってから撮影しました。その前はこの建物の2階のもっと狭く汚いスペースがオフィスでした。

安易に参入できるビジネスは競争が無限に続き、最後は資本力がある会社が勝ちます。

一方安易に参入できない高い障壁のあるビジネスはそれを乗り越えるのは大変ですが他社との不毛な競争は起きませんし、それよりもその業界をどのように育てていくか、育てた業界の中で自社のポジションをどのように確固たるものにするかに知恵を絞ります。

ある意味自分との戦いなのです。
僕にはそっちのほうが性に合っています。

今の日本のエスプレッソマシン業界において、製品安全面で安心していただける製品を販売している会社になるということは、とても強力な武器になります。

弊社がWEBで力を入れている動画などのメンテナンス情報や消耗品を自分で交換できるレクチャー動画はそれに力を入れること自体が販促になるとともに業界の安全面にも寄与できるのです。

家電のように同じものを販売していたらそれをしたところで他社に利用されるだけですが、弊社の直輸入製品は日本では弊社しか販売していませんから、この情報公開は営業面でも威力を発揮します。

今回の受賞により会社の歩む方向がより明確になりました。

とはいえ、まだまだ不完全な部分が多いし、一つを解決しても日々新しい問題が出てくるので、製品安全に終わりはありません。

でも、製品安全を極めることが自社の営業や経営にも将来にもプラスなのですからこれからも思う存分やっていこうと思います。

改めまして、今まで弊社をご利用いただいた全てのお客様、今と過去すべてのスタッフはじめ関係会社の皆さま。

今まで弊社を支えていただきありがとうございます。

これからも慢心することなくお客様の期待を超える企業として精進してまいります。

どうぞ末永いお付き合いをよろしくお願いいたします。

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ABOUTこの記事をかいた人

上田 隆

1959年奈良県天理市に家電販売店の2代目として生まれる。関西大学第一高等学校・関西大学卒。1987年株式会社大一電化社社長就任。その後は会社ヒストリー見てね。趣味は、オーケストラ演奏(トランペット)と読書。