EXPO2013 Rocket社

今回のEXPO2013では、新規メーカーの開拓はもちろんですが、既存メーカーとの絆をさらに強固にすることも大きな目的でしたので、取り扱いメーカーのブースをできるだけ多く訪問いたしました。

初日に訪れたロケット社は、弊社の主力メーカーの一つで、精悍なステンレスボディーのタンク式エスプレッソマシンでは業界トップクラスのメーカーです。

ロケット社の主力製品は、エヴォリュゾーネ、プレミアムプラス、R58などの1グループ(1gr)タンク式マシンですが一昨年から2gr以上のとても性能の良いマシンを発売しています。

今後は、そちらの分野にも力を入れてラインナップを増やしていくとのことでした。

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(写真)来年度には2grのダブルボイラーマシンが発売予定。

 

ロケット社は、設立10年近くの若い会社で、社長は好青年ダニエル・ベーレンブルック。

創業は、ドイツ人の父親フリードリヒで、その後息子のダニエルに経営を譲り、今ではいつもニコニコしている好好爺となっていました。

実は、このベーレンブルック父子とはEXPO2007でお会いしていて、先日のブース訪問時にダニエルとその時の話を懐かしくしておりました。

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現在のダニエル(左)とフリードリヒ(右)

 

今から6年前( 2007年秋)=弊社がエスプレッソマシン界で駆け出しの時代=新規取り扱いメーカーをさらに増やす為にEXPO2007を訪れました。

巨大なホールには、エスプレッソマシン業界のメジャーなメーカーが広いスペースを使って派手な展示ブースに業務用の大きく美しいエスプレッソマシンを多数展示していました。

当時の日本市場にあまり出回っていない業務にも使える1グループタンク式マシンでデザインと性能のよい物はないかと数日にわたり会場内を念入りに探しておりましたがなかなか見つかりません。

訪問予定のブースはすべて訪れてしまい疲れと失望感で会場をうろうろしていた時、ホール片隅の小さなブースに目がとまりました。

そこは木製の展示台とスポット照明の下でエスプレッソマシンを数台展示しているだけの簡素なブースで、白地に黒文字看板で「Rocket Espresso MILANO」とありました。

当時社長だったフリードリヒが、お客様に説明をし、まだあどけなさが残るダニエルとお母様らしき女性がブースを訪れたお客様にエスプレッソコーヒーを配っていました。

展示のマシンは背面にGiottoの文字が書かれたステンレスボディーのタンク式エスプレッソマシン数台のみ。

しかしそれはまさしく僕が探していたエスプレッソマシンで、つまり本物の濃厚なエスプレッソと強力なスチームがすぐに出てデザインが秀逸で1グループでタンク式。業務用で使えるほど強固で性能が良く、100Vで動くので移動もできて、場所を取らずに、デザインがイタリアらしく美しい、探していた通りのマシンだったのです。

探していたメーカーが偶然にも見つかったことに興奮してダニエルに話しかけたことを思い出します。

ダニエルは笑顔を絶やさずに誠実に僕の質問に答えてくれました。

ダニエルは、「ロケット社は創業して間が無い小さな会社だけれど、まじめで正直な会社なので自分とその製品を信頼してほしい。

是非とも日本でロケット社の製品を販売してほしい。」 ? ? ? ?

僕は、「我々もまだまだ新しい会社で今は日本では無名であるけれど、これから頑張って日本でその地位を確立していきたい。

その為には貴社のエスプレッソマシンを日本で広めたいと思うし、ロケット社とともに弊社も発展していけるとうれしく思う。

日本に戻ってからあらためて契約と初回オーダーに関する連絡をするので待っていてほしい。」というような会話を交わした記憶があります。

その後、ロケット社の製品は弊社の主力となり日本の小規模店舗の多くにロケット社のタンク式エスプレッソマシンを導入いただきました。

偶然見つけたとはいえロケット社と弊社のこのような出会いがお互いのビジネスに大きく寄与したわけです。

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(写真)6年前のEXPO2007 Rocketブースより

 

EXPO2013終了の翌日、ミラノ郊外にあるロケット社の本社と工場を訪問しました。

小雨の降るあいにくの天気でしたが、最寄りの駅までダニエルと営業担当のアンドリューが車で迎えに来てくれました。

ついたところはミラノ郊外の工場エリアで、多くの中堅企業がオフィスと工場を構えています。

その中の一角のこじんまりとした玄関に「Rocket」と書かれていました。

オフィススペースには、ダニエルの個室と経理、営業スペースがあります。

設計の為の部屋もあったのですが、みるからに経験豊富な設計士が手書きで図面を引いていました。

もちろん細部はコンピューターで設計するのでしょうが、大まかな基本設計はこちらでやっているようです。

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(写真)ダニエルと設計技師

 

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アンドリュー(左)とダニエル(中)

 

工場に入りました。

広大な建屋に何列ものマシン組み立てラインが並んでいます。

主要部品のチェック、部品の組み立て、調整、電気チェック、圧力チェック、ボディー磨き、梱包などタンク式マシンの出荷までの全工程がこちらで行われます。

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イタリアのエスプレッソマシン工場の多くは、熟練の職人による手作業にこだわっています。

このロケット社も、これだけの生産台数にもかかわらず、組み立てと最終調整は1台ずつ職人が手作業で仕上げていきます。

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(写真)圧力と電気系統のチェックは全製品1台ずつ行います。

また、ダニエル社長の奥様が、工場で作業着を着て多くのスタッフと一緒に働いている姿に感動しました。

全く偉そうにすることなく、上手くスタッフの中に溶け込んで社長とのパイプ役を務めています。

イタリアでは海外に手広く輸出する中堅企業でも家族的経営が多く、オーナー一族が家族全員で会社を支えています。

しかし社長夫人までもが多くのスタッフに交じって工場で働くというのは見たことがありません。

また、ロケット社の社員には、イタリア、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなど多くの国からスタッフが集まっています。

ダニエルは、意図的に集めたのではなく結果的にそうなったと言っていますが多国籍のスタッフがいることで海外輸出に対応できる会社になっているように思います。

このように取引先の会社の様子を内側から見ると、その会社の勢いや信頼に足る会社であるかどうかが良くわかりますね。

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(写真)ロゴ入り作業着を着てスタッフに交じる社長夫人

12時の昼休みになると、工場に経理や営業、配送スタッフ皆が集まってきて、ワインの瓶が並びました。奥から社長夫人が用意したと思われる自家製パンが大量に出てきます。

ダニエルに聞くと、今日は工場のスタッフの誕生日なので簡単なお祝いをするのだそうです。

それに昨日展示会が終了してその片づけに遅くまで忙しかったので、今日はこれで仕事は終わりとのことでした。

でも、時には昼休憩時にお祝いをすることもあるようで、仕事の合間にワイン?!と驚きますが、イタリアの昼休みは12時過ぎから3時間以上とゆっくりとるので、グラス1?2杯のワインなら不謹慎でも何でもないようです。

そういえばEXPOでのバイヤーフロアでもワイン、シャンペンがいつでも飲み放題で昼休みには、バイヤーたちが食事とともにボトルを並べておりました。

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僕も乾杯に参加させていただき、いっしょにスタッフの誕生日をお祝いしたあと、主なスタッフとともに近くのレストランで打ち合わせ。農家を改造した雰囲気のあるトラットリアでの打ち合わせはとても有意義でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

上田 隆

1959年奈良県天理市に家電販売店の2代目として生まれる。関西大学第一高等学校・関西大学卒。1987年株式会社大一電化社社長就任。その後は会社ヒストリー見てね。趣味は、オーケストラ演奏(トランペット)と読書。