過大評価への恐れ

3月におこなわれたFOODEXでのイタリア大使館からご依頼のイタリアバール

大好評のうちに終えることができましたが、その後のお話です。

FOODEXでは、イタリア大使館というオフィシャルなブースでのサービスということもあり多くの大手企業社長や団体トップの方々もエスプレッソ(クイートコーヒーなど)を飲みに来られ、ありがたくも弊社と名刺交換を望んでくださった方々が多くおられました。

その中に、片言の日本語を話すフランス人紳士がおられ「フランス大使館・在日フランス人協会プレジデント」のお名刺をいただきました。

数日後、僕の携帯に理事長秘書から電話が入り、

「4月16日深夜に東京ヒルトンでチャリティー・ガラ・パーティーがある。そこで貴社のエスプレッソをパーティーのゲストに出してほしい。」

そのあと、理事長からも直接メールや電話が入り同様の依頼をいただき、協会の概要やパーティーの詳細がわかってきました。

在日フランス人協会は、フランス大使館内の組織で日本在住のフランス人の多くが加入されていて、相互援助と親睦、日本での円滑な受け入れや日本語教育などを主目的にした団体だそうです。

4月16日のチャリティー・ガラ・パーティーでは駐日フランス大使や著名な在日フランス人たち、またフランス本国の議員も出席され250人規模の参加者になるとのこと。

スポンサーはヒルトンホテル、セリーヌ、エビアン、バカラなど有名企業が名を連ねています。

ロビーでのカクテルパーティーから始まり、その後パーティー会場ではヒルトンホテル総料理長によるフレンチのコース、世界的なタンゴダンサーによるショー、高級ワインやフランス製バッグなどのチャリティーオークション。

そして明け方3時まで続くダンスパーティーの中、私たちはエスプレッソとラテを提供するわけです。

あまりにも大きなお話なうえに、スペシャルすぎるゲストとスポンサーの数々。

こんな田舎の小さな小さな会社である弊社にはかけ離れたグレードの仕事であると感じました。

お受けしていいものかかなり迷いましたが、実はその週は東京ビッグサイトでのFABEXにブース出展するため火曜日から金曜日まで東京に滞在の予定です。

僕と営業部長が、そのまま連泊することで必要経費も抑えられます。

なによりも、理事長直々のお声がけであることと、新たな人脈を築けるかもしれないこと、チャリティーの目的には東日本大震災への義援金調達も含まれていること(その後九州大地震への義援金も決定)という理由でオファーをお受けしました。

これで東京のフランス人富裕層が繰り広げる別世界を離れた場所からではありますが、垣間見れると思っていたのですが、前日に秘書の方から、「理事長がお二人の席を用意したのでエスプレッソサービスが始まるまではゲストテーブルで一緒に食事してください。」とのこと。

それだけでも緊張するのに当日会場に行くと、理事長から僕にはVIP席を用意していると聞かされました。

20時から始まったロビーでのカクテルパーティーが終わりパーティー会場の扉があき、いよいよVIP席に案内されましたら僕の斜め前が駐日フランス大使とその奥様らしい美しいご婦人!となりは世界フランス人協会アジアプレジデント、その横が昔NHKのフランス語講座にも出ておられた大学教授で在日フランス人女性の会のプレジデントなどなど。

普通ではお目にかかれない方々と(日本語で!)お話ができました。

壁の巨大スクリーンには弊社のロゴが映し出され、舞台上から社名のご紹介をいただき、メニューにもエスプレッソ提供のスポンサーとしてセリーヌやバカラとともに弊社のロゴが大きく印刷されています。

パーティー会場の一角にエスプレッソマシンとクイートコーヒーをセッティングしていただき23時から約3時間のエスプレッソ、ラテのサービスは好評のうちに終了しました。

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今から思えば3月のイタリア大使館のお仕事といい、このフランス人協会のお仕事といい、私どものような天理市の零細企業に声がかかること自体ありえないことです。

先方に何か勘違いがあるのではないかと勘ぐってしまうほどです。

世の中に実力よりも過小評価される会社と実力以上に過大評価される会社があるとすれば、今の弊社は間違いなく過大評価されすぎています。

これって実はとても恐ろしいことで経営的、組織的、体力的、技術的に時間をかけて充実していった結果として名声が広がるのは真の姿ですが実力の伴わない勘違い評価は、その中身が露見すれば一瞬にして信用を失ってしまいます。

偶然が重なり瞬間に有名になったタレントが数か月で消えていくのと同じ状態なのです。

なので、僕は今とても怖いです。

周りは弊社のことを勘違いとはいえ、とても期待をもって接触してくださいます。

その期待よりも下回っていたらもう二度とお声がけはいただけません。

周りから勘違いされるのも怖いですが、もっと怖いのは僕を含む弊社スタッフの勘違いです。

それが驕り、慢心となりいつのまにか「お客様の期待を超える」という弊社の社是を忘れてしまうことです。

そういう意味で、もしかすると今が弊社にとって最大の正念場かもしれません。

だからこそ初心を忘れず、日々の業務を見直し、お客様を大切にしているか、無駄な経費を使っていないか、業務における問題点は把握できていて改善を繰り返せているか、効率とサービスのバランスは妥当か、次に備える技術やアイディアの蓄積はできているか、誇りと謙虚さを併せ持った仕事ぶりかなど、慎重に自分と会社を見つめなおそうと思います。

一日も早く、周りの過大評価に見合う実力のある会社になれるように。

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ABOUTこの記事をかいた人

上田 隆

1959年奈良県天理市に家電販売店の2代目として生まれる。関西大学第一高等学校・関西大学卒。1987年株式会社大一電化社社長就任。その後は会社ヒストリー見てね。趣味は、オーケストラ演奏(トランペット)と読書。